初めて出会った時、亜細亜では見た事の無いその不思議な色合いをした翡翠の瞳にどうしようもなく引き付けられた。

「俺の顔に何か付いているか?」
「え?」
どうやら随分と長い間見詰めていたらしいが、何分無自覚だから性質が悪い。
「済みません。何でも無いのです。
 あ、お茶のお代わりは如何ですか?」
貰おう、と言って差し出された湯呑に薄い緑の液体を注ぐ。
この緑より、もっと濃くて深みのある色をしている彼の瞳。
其処から流れ出す涙はきっと、夢のように綺麗なのだろうなと思った。


其ノマナコガ欲シイ


色取り取りの硝子玉と一緒に閉じ込めてしまいたい。否、彼の其の緑なら一つだけでも十二分に美しいだろう。

考えている事を顔に出さない様にするのは得意なので表面では無表情を装いつつ、心の内では今日も静かに彼のその翡翠ジェイドに絶対に叶うの事の無い思いを巡らすのだった。